戦いの中に戦機を見出す

                                  解説 坂口隆三九段


西日本大学OB・OG囲碁会会報
『梔王』に記載された
「東西対抗戦熱戦譜」の一譜です。




 高野さんは「碁吉会」の主宰者として、囲碁界では名の通った人物。

幅広い交友関係を持ち、また、碁吉会のホームページなどで
発表しているエッセイや詩は素人の域をはるかに超えている。

 高野(コウノと読む)さんは根っからのファイタータイプ。
黒番中国流からの迫力ある一局である。

 本局、黒はどんどん戦線を拡大し、戦いの中に勝機を見出していく。
いや、戦いの中に戦機を見出すといったところだろうか。


 食うか食われるかの勝負の中、
高野さんが戦い抜いて勝利をもぎ取った一局。

解説 

坂口九段

黒19.21は皮肉な手


白24は右辺を続けて打つのが良い。


黒59は67の一路下、大ケイマあたりにヒラクと、
白は難しかった。
でも、59と大きく構えた気合いは好感が持てる。



黒85はウチスギ。93にしっかり打つべし。
とまり、白92で、93と出れば、息の長い碁だった。



黒119に、白は受けようもなく、
白120だったが・・・。

黒121は結果的には勇み足だった。
白136ハネを保留して、打てば、
隅はコウとなり、黒も楽でない。

とはいえ、
この気合いの応酬を前に、
そんな感想は無粋に映る